更新日 2017.2.5
   
自殺未遂患者に対する
看護師の態度とその変容
救命救急センターの看護師を対象とした質的・量的研究
瓜﨑貴雄 [著]
A5判 144頁
定価(本体2,700円+税)
(2017.1)
津波避難学
命が助かる行動の原則と
地域ですすめる防災対策
清水宣明 [著]
四六判(縦組) 228頁
定価(本体1,800円+税)
(2016.3)
身体へのまなざし
ほんとうの看護学のために
阿保 順子 [著]
四六判(上製 ) 169頁
定価( 本体2,500円+税)
(2015.7)
 
看護師が行なう
2型糖尿病患者の
療養支援
多留ちえみ
宮脇 郁子 [著]
B5判 2色 173頁
定価(本体3,700円+税)
(2015.5)
がん看護から
がん看護の魅力
―私たちが看護師でありつづける理由
荒川唱子[編]
がん看護研究会
A5判 151頁
定価(本体1,800円+税)
(2014.12)
高齢者のせん妄
安心をとどけるケアと介護の心得
守本とも子[編] 
A5判 141頁 2色
定価(本体2,000円+税)
(2014.10)
ニュース
           

反響(推薦、書評)
・・・『看護師が行なう2型糖尿病患者の療養支援』の書評が、宮田哲先生(JCHO大阪病院内科診療部長、日本糖尿病学会専門医・指導医)から寄せられました。
 指導ではなく療養「支援」という言葉が使われていることに着目して本書の意図をくみ取り、本書には「患者の葛藤を感じて、それに寄り添う」支援する者としての「覚悟とそれを克服するスキルが、著者の体験談に基づいて、随所にちりばめられている」と評され、推薦の言葉を添えてくださっています。全文をPDFでお読みください。
 宮田哲:『看護師が行なう2型糖尿病患者の療養支援』書評(PDF)こちら

  ...........2017.2.5

新刊(12月9日発売)
『自殺未遂患者に対する看護師の態度とその変容

;救命救急センターの看護師を対象とした質的・量的研究』
  瓜﨑貴雄(大阪医科大学看護学部/同大学院看護学研究科講師)
  A5判 144頁 
  定価(本体2,700円+税)

*自殺未遂患者に対する看護師の関わりは、再発防止の最初の鍵と言われます。救命救急センターに搬送されて命を取り留めた患者にとって、看護師は最初に出会う人だからです。その時に看護師が肯定的な態度で関わることは重要な意味を持ちます。しかし、精神的問題を抱えて自殺を図った彼らは、看護師にとって「むずかしい患者」でもあります。とりわけ、生の希求に応えることを使命とする救命救急センターの現場では、看護師は他の患者とは異なる対応に矛盾と葛藤を抱え込みます。著者の一連の研究は、そんな看護師の実態を明らかにするものです。そして、看護師としてめざすべき態度の形成について考察を進めています。
奥付発行日:2017年1月5日
*新刊案内チラシ(FAX注文票)のPDFはこちら

...........2016.11.23

身体へのまなざし』の合評会(下記↓)の会場が
「東京医科大学病院 新教育研究棟 9階 901会議室」に変更になりました。
新しい案内チラシ(→こちら)をご覧ください。

  ...........2016.10.19

身体へのまなざし ほんとうの看護学のために』の合評会の催
・・・12月3日(土)13:00~16:00、東京医科大学第一看護学科棟2階(203会議室)
読書会「医療とケアを問い直す」企画(世話人:西村高宏、近田万美子)
定員:20名程度、参加費:無料、著者の阿保順子氏も参加されます。
詳細は案内チラシのPDF(→こちら)をご覧ください。

小社書籍をこれから1年間常備してくれる書店へ、“常備セット(22点)”を出荷しました。ご購入は、常備店(→こちら)を是非ご利用ください。

  ...........2016.9.14

学会出展(直売)
日本精神保健看護学会 第26回学術集会(7月2~3日、大津市)、会場:ピアザ淡海にて直売しました。

...........2016.8.2

紹介記事(新聞コラム)
『津波避難学』が“九州医事新報”5月20日号の「今月の1冊」に取り上げられました。大山副編集長の筆になるコラム記事。熊本地震の衝撃もふまえて「想定外を想定」することと具体的避難のノウハウの研究の必要性を述べ、本書を紹介してくれている。本書の示す「説得力ある原則は、パニックに陥りがちな災害時の行動原則として、例えば学校教育の場などで広く周知されるべきだ」と。

書評掲載
『身体へのまなざし』
の書評が“精神科看護”5月号(通巻284号)「本との話」欄に掲載されました。評者は東谷敬介氏(市立札幌病院精神医療センター)。
前半は、身体という言葉が何を指しているのか、そして「身体の重層性」やその「相互交流」といったキーワードの意味を理解したうえで、著者の意図を「看護における身体の相互交流の経験を客観的な事実に準じるものとして考察の対象とし、看護学として追究すべきであると説く」こと、それによって「新たな可能性を見出すこと」とまとめている。後半は、評者自身がもっとも感銘を受けたという看護技術と身体の章の内容に触れて、「反省を促される指摘」や「紹介し尽くせない示唆」に満ちていると述べられている。最後の段落は次のように締めくくられている。「本書は、じわじわと身体に染み込んでいく感覚を読者にもたらし、それが全身にいきわたったとき、言葉にできない体験ができると思う。さて、みなさんの“身体”はどのような反応をするだろうか?」

...........2016.6.6

新刊『津波避難学―命が助かる行動の原則と地域ですすめる防災対策』が、著者とともに新聞記事に大きく取り上げられました。
*4月2日の中日新聞、伊勢新聞、4月4日の毎日新聞の三重県版に、本書の発行と、著者が伊勢市役所を表敬訪問して鈴木健一市長に贈呈したニュースを報じる記事が掲載されました。いずれも本書を手にした著者の写真入りで、4段、5段のスペースが割かれた地方面のトップ記事です。以下は各記事の見出し、( )内は記者名。
 中日新聞(2016.4.2)・・・津波避難の知恵1冊に、明和の清水教授「近くても高い所へ」(大島康介)
 伊勢新聞(2016.4.2)・・・伊勢志摩の防災対策提言、愛知県立大の清水教授「津波避難学」を出版(倉持亮)
 毎日新聞(2016.4.4)・・・災害弱者視点の「津波避難学」出版、明和在住 清水・愛知県立大学教授 各自が最良の対策を(小沢由紀)
『津波避難学』の新刊案内チラシ(FAX注文票)のPDFはこちら

...........2016.4.14

新刊
 『津波避難学―命が助かる行動の原則と地域ですすめる防災対策』
  清水宣明(愛知県立大学看護学部教授)著
  四六判(縦組) 228頁 
  定価(本体1,800円+税)
  発行日2016年3月24日

*2011.3.11の東日本大震災から満5年。首都圏直下型地震や南海トラフ地震に対する危機感を募らせているだけで、私たちの命を守る対策は何か具体的に進んでいるでしょうか? とくに津波に対しては、あの凄まじい被災の映像に圧倒され、無力感とともに思考停止してはいないでしょうか? 本書は、津波被災時の状況を調べ直し、尊い犠牲を無にせず、学びとすべきことを明らかにし、命が助かる避難の方法を科学的に追求しています。「とにかく、逃げろ!」は対策ではありません。そう言われても、とにかくは逃げられない災害弱者がいるのです。「津波避難学」は災害弱者の視点に立って考えます。読めば目からウロコが落ちるでしょう。津波避難における大原則を知ってください。希望をもって危機への備えをすすめるために、また地域防災対策の指針として、今まさに必読の書として刊行します。
*新刊案内チラシ(FAX注文票)のPDFはこちら

紹介記事
 『身体へのまなざし―ほんとうの看護学のために』・・・“看護”(日本看護協会機関誌)3月号、今月のおすすめBOOKS欄
...........2016.3.10

紹介記事
 『外来がん看護―エンパワメント支援の理論と実際』・・・“ナース専科”マガジン2016年2月号、ナースの本棚欄(今月のテーマ:患者さんのメンタルを支えるがん看護のスキルを身につける)。「全人的・個別的な視点で外来患者さんのエンパワメントを支える」「ケースレポートつきで、現場が理解できる」との見出し付で。

...........2016.2.1

書評掲載
『身体へのまなざし』の書評が“精神医療”No.81(発行:批評社)に掲載されました。評者は西川 勝氏(大阪大学コミュニケーションデザインセンター)。
氏は「身体への関心のはじめは、患者さんからにじみ出ていた儚さであった」という本書冒頭のフレーズに喚起された氏自身の若かりし頃の記憶から書き始める。哲学を学び働きながら看護学校に進学した彼は「看護学校での授業は、ほんとうに大事なことほど適当にやり過ごされている気がしていた」が、精神病院の現場経験の魅力は色あせることがなかった。病棟では患者のさまざまな「気配」を感じ、「精神科看護の現場は、一般の人が想像するようなカウンセリング的な言葉で充たされていない」ことを知る。そして「声にならない吐息のにおいに近づくこと、視線の合わない患者の後ろ姿を見つめること・・・ぼくと患者さんの身体がすれちがったり、ぶつかったりしながら病棟の時間は過ぎていった。」そのことを20年以上経った今も身体が覚えていると記す。そのような評者であるから、冒頭のフレーズも「レトリックとしてでなく、事実として、ぼくの経験にもある」と述べ、このような事実をまともに取り上げず、むしろ排除してきたような看護学(教育)に一石を投じた本書の意義をとらえたうえで、共感あふれる紹介をしてくださっている。さらに彼自身の論考も加えられていて興味深い。その中からいくつか抜粋させていただく。
「世界を言語化する以前に身体はある。意識やことばを操る知性は、身体に比べて新参者なのだ。身体には個別の肉体を超えた生命の原初にまでさかのぼる記憶が息づいている。阿保さんの身体論は、壮大な生命論にまで広がる裾野を有している。」
「・・・自分を看護したナースの手技に、ケアする身体とケアされる身体が、互いの境界を越えて交叉、浸透していく有り様を描き出す場面は、複数の視点を持ち得た者にだけ記述が可能になる希有なものだ。視野を広げるのと視点を変えるのは全く違う。」
「ほんとうの看護学のために必要なのは、人体に向きがちなまなざしを身体へと振り替えること、つぎにもとめられるのは『身体からのまなざし』を持つことではないだろうか。」
そして、最後はこのように締めくくられている。
「読むということで、これほどに自分が揺さぶられる本が、看護の世界から発信されたことを、限りない喜びを持って伝えたい。」

...........2015.12.25

書籍目録No.3
・・・解説付き目録No.3が出来上がりました。
  A6判16頁、現時点で発売中の24点集録、。
  ご希望があればメール等でお知らせください。進呈いたします。
  目録のPDFはこちら

反響(推薦、書評)
・・・『身体へのまなざし』の読後評(書評・推薦)を大井 玄先生(東京大学名誉教授)と大野弘機先生(北海道医療大学名誉教授)が寄せてくださいました。以下の「こちら」をクリックしていただけるとPDFが開けます。是非お読みください。
大井 玄「必読書として推薦します―ケアのポイントを衝く現象学的身体論」こちら
大野弘機「ひとつの感想―ほんとうの看護学への期待」こちら

紹介記事
『身体へのまなざし』・・・‘ベストナース’11月号の特集:看護・教養図書ガイド。「身体論を「ほんとうの看護学のために」必要な基礎論として位置づける」との見出しで、著者への取材記事のかたちで掲載。内容紹介とともに、著者の執筆意図を伝えてくれています。

『看護師が行なう2型糖尿病患者の療養支援』・・・“介護新聞”10月8日(第815号、週刊)に「研究的裏付けから実践ポイント示す」の見出しで。

...........2015.11.11

書評掲載
『身体へのまなざし』の書評が“看護実践の科学”9月号に掲載されました。評者は鈴木正子氏(前東都医療大学教授、小社刊『あるケアのかたち』著者)。冒頭、「看護界に出現したほんとうの意味での“看護身体論”と言っていいのではないだろうか。・・・・久しぶりに読書の醍醐味を味わわせてもらった」と述べたうえで、とくに印象に残る内容が紹介されていく。共通する問題意識を持ち続けてきた鈴木氏の筆ならではの熱のこもった批評である。そしてまとめの段で、「本書は「ほんとうの看護学のために」書かれた警世の書と言えようが、後輩の看護師たちに真の看護技術のあり方を語り継ごうとする熱い思いが、この優れた問題提起を生んだということを見落としてはならない」との言葉を加えておられる。また、「それぞれの章の記述が随所で響き合い、看護学の真のあり方への問いが展開される手法にも感心した」との評もあり、編集者としてもうれしく読んだことを付言する。

紹介記事
『看護師が行なう2型糖尿病患者の療養支援』・・・“エキスパートナース”10月号:BOOKレビュー欄

常備店への出荷を完了しました…常備店のリスト(→こちら)を更新しました。これらの書店では小社の本を手にとってご覧いただけます。是非ご利用ください。

...........2015.10.13
書評掲載
“看護実践の科学”8月号に『看護師が行なう2型糖尿病患者の療養支援』の書評が掲載されました。
評者は数間恵子(前東京大学大学院教授)氏、「療養支援から考える看護の“核”と題して。書名に「看護師が行なう」と記されていることを「不思議に思われる方もおられるでしょう」という書き出しで、本書の趣旨を一気につかんだうえで、特徴的な内容について的確に紹介して、その意義を述べてくださっています。そして最後にこう付け加えておられます。「2型糖尿病の人々の療養支援において看護師が行なうことは何かを通じて看護の核を探求しており、ウィーデンバック『臨床看護の本質―患者援助の技術』を思い出す1冊でもあります。」
紹介記事
『看護師が行なう2型糖尿病患者の療養支援』
・・・“看護”(日本看護協会機関誌)7月号:今月のおすすめBOOKS欄
・・・“ベストナース”8月号:ナースの本棚
...........2015.7.26
新刊
『身体へのまなざし―ほんとうの看護学のために
 阿保順子[著]  
四六判 上製 169頁、本体価格2,500円
発行日:7月1日  新刊案内チラシ(注文票)のPDFはこちら
学会出展(直売)…日本精神保健看護学会 第25回学術集会・総会(6月27~28日)
会場:つくば国際会議場  多目的ホール
大会長:森千鶴(筑波大学大学院人間総合学研究科 看護科学専攻)
*出張して小社単独の机で直売します。発行日前になりますが、上記新刊も並べる予定です。
(6月18~20日開催の日本精神科看護学術集会(郡山、ビックパレットふくしま)にも間に合えば持ち込みます。こちらは地元の書店さんの販売です。)
紹介記事
がん看護から―がん看護の魅力-私たちが看護師でありつづける理由
・・・介護新聞2015年4月30日号月号の“本”にが取り上げられました。「看護の魅力、仕事の喜び語り原点確認」の見出しで。
・・・“緩和ケア”Vol.25, No.3(5月号) Books Selection
高齢者のせん妄―安心をとどけるケアと介護の心得
・・・“精神科看護”6月号 Books of the Month
...........2015.6.13
新刊発行
看護師が行なう2型糖尿病患者の療養支援
 多留ちえみ 宮脇郁子[著]  
B5判(2色) 173頁、本体価格3,700円
発行日:5月1日  新刊案内チラシ(注文票)のPDFはこちら
紹介記事(WEB)・・・九州医事新報のWeb版2015年3月号の”今月の1冊”に『がん看護から』が取り上げられました。http://k-ijishinpo.jp/article/2015/201503/001905.html
...........2015.4.25 
紹介記事掲載
『高齢者のせん妄』“シルバー新報”2015年2月6日号。
『がん看護から』
・・・“看護実践の科学”3月号(Vol.40 No.3)のBooks欄
  “エキスパートナース”3月号(Vol.31 No.3)のBookレビュー欄。
  “ベストナース”3月号(2015.3)のブックレビュー(ナースの本棚)
...........2015.3.18 
ニュース続き
ケアリング プラクシス 外来がん看護
エンパワメント支援の理論と実際
グループ回想法実践マニュアル がん看護へのことづて
コラージュを聴く
対人援助としてのコラージュ療法
本心と抵抗
自発性の精神病理
自殺の看護 統合失調症急性期看護マニュアル 改訂版
考えるがん看護 暴力と攻撃への対処
精神科看護の経験と実践知
看護をとおしてみえる片麻痺を伴う脳血管障害患者の身体経験 認知症高齢者のリスクマネジメント認知症高齢者のリスクマネジメント 
患者体験に学ぶ乳がんの看護 手術・放射線・化学療法を受けるあなたと看護師のあなたに患者体験に学ぶ乳がんの看護
手術・放射線・化学療法を受けるあなたと看護師のあなたに
歯周病が治る歯ブラシ法 大人のための歯ブラシ教室歯周病が治る
歯ブラシ法

大人のための歯ブラシ教室
あるケアのかたち 病むことの怒りと悲しみあるケアのかたち
病むことの怒りと悲しみ 
地域保健・福祉のスキルアップ 研修の企画・運営・評価のてびき地域保健・福祉のスキルアップ
研修の企画・運営・評価のてびき
看護管理としての看護情報支援システムの構築と運用看護管理としての看護情報支援システムの構築と運用  自殺は予防できる ヘルスプロモーションとしての行動計画と心の健康づくり活動自殺は予防できる
ヘルスプロモーションとしての行動計画と心の健康づくり活動
臨床看護面接 治癒の共有をめざして臨床看護面接
治癒力の共鳴をめざして
精神科における病的多飲水・水中毒のとらえ方と看護精神科における病的多飲水・水中毒のとらえ方と看護
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編集雑記

2017年1月某日
 年が改まっても去年の続きで、中くらいの目出度さからも遠い気分で過ごしている。返品額が売上額を超えていて取次への請求が立たない月末を迎えたお寒い実情を最初に明かしておくが、そんなことに今さら泣き言を並べるつもりはない。世界の雲行きがいよいよ怪しい大状況に縦皺が寄るのであり、我が小状況に直結する出版や読書に関係する現状も、考えれば考える程それに重なる重大事のように思えてくるのである。暮れに賀状の文面を考えていたとき、テレビから賢治の「雨ニモ負ケズ・・・」を朗読する声が聞こえてきた。警備会社のコマーシャルだった。心が静まるよりもムラッとして、そんなことを言っている場合かと突っかかりたくなった。安心も金で買えと言われるような時代に対して「いつも静かに笑って」なんていられるものか。それで「今年も怒り、嘆き、ぼやきを繰り返すことになるでしょう」などと賀状に書いてしまった。ここに書くのも、所詮そういうことになる。
 正月休みに700頁を超える大冊、小田光雄『出版状況クロニクルⅣ―2012.1~2015.12』を読み上げた。著者は、出版不況ではない、危機なのだと繰り返す。販売額が減り続けていることと街から書店が消えていくことはパラレルであること、電子出版に望みをかけることの愚かさなど、その通り認めざるを得ない事実の記録が続くのであるが、注目すべきは、このように出版の危機が急速に進んでいるのは日本特有の現象なのだという指摘である。雑誌の配本システムとして発達した取次と再販制度への依存、その旧態依然が健全な市場形成を妨げている。それなのに、目先の「不況」対策に追われるだけで、必要な構造改革に立ち上がらない出版界の体質、それをリードすべき業界団体に責任の自覚がないことに批判の目が向けられている。危機の本質を内在的なものと考える著者の姿勢には共感を覚える。それゆえ、事実についての希望的観測は皆無、批判的に書かれていることばかりでも、出版の否定ではなく、著者自身は、出版の原点に立ち返って考えることに望みをつないでいるのだと思える。その点で、実業の現場を知ろうとしない学者や、思いつきの評論にうつつを抜かす売文家とは異なる。事実を丹念に拾うことを課した、小田のプロとしての仕事を多とする。しかし、その予見どおり、記憶に新しい2016年がさらに破綻が目立ち始めたことを知るだけに、読後、暗澹たる思いが残るのはどうしようもない。
 ここで絶望的な事実を1つだけあげておく。クロニクルの2014年2月の項に「大学生協調査によれば、電子書籍も含めてまったく本を読まない大学生が40.5%を占めている・・・」とある。それが2016年には45.2%である(私のメモによる)。さらに、手元には2007年の新聞記事の切り抜きがある。それにはこう書かれている。「1日の読書時間は「ゼロ」が34.7%で、医歯薬系の学部では40%を超えた。85年の調査では「ほとんどなし」は19.4%に過ぎなかった。」これでさえまさかの数字で、もしかすると、専門書を除いた読書なのかもしれない。それ以前の調査結果を知らないが、「本を読まない大学生なんて」が世間の常識であったろう。大学が大衆化したからという説明で済む話ではない。大学生ですらここまで本を読まなくなってしまったのである。本を読まないで勉強? それを問題視するより、デジタル教科書化を目論んでIT産業に色目を使っているような教育政策の推進は、本ばなれに輪をかけるだけであろう。
 それに対抗できない出版界の危機は、文化的な危機と言い換えたほうがいいかもしれない。守るべき文化なんてないと言い放つ破壊や、多様な意見に耳を貸さずに突っ走る独裁的「正義」が横行し始めたことを、反読書的と考えるのは飛躍だろうか。焚書坑儒まで遡らなくとも、書物は受難の歴史を何度も繰り返している。いま、ネット社会がそうならないという保証はない。


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