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自殺未遂患者に対する看護師の関わりは、再企図を防ぐ意味でも重要です。看護師は命を取り留めた患者が意識を回復した時に最初に出会う人なのです。しかし、精神的問題を抱えた彼らの看護には、しばしば困難を伴います。
とりわけ、生の希求に応えることを使命とする救命救急センターの看護師たちは矛盾と葛藤を抱え込みます。著者の一連の研究はそんな実態を明らかにするものです。そして、看護師としてめざすべき態度の形成について考察を進めます。 |
【著者】うりざきたかお:大阪医科大学看護学部看護学科/大阪医科大学大学院看護学研究科講師
1975年島根県生まれ。看護師、保健師。2001〜2005年大阪府立千里救命救急センター勤務。2009年大阪府立大学大学院看護学研究科看護学専攻博士前期課程修了、修士(看護学)。2009〜2010年医療法人稲門会いわくら病院勤務。2014年関西大学大学院博士課程後期課程心理学研究科心理学専攻修了、博士(心理学)。2010年より大阪医科大学看護学部看護学科。助教を経て現職。 |
【主要目次】 |
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序 論 |
T.本書の背景 U.研究の主題に対して関心を抱く契機となった事例について V.文献検討 W.研究目的と本書の構成 |
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第1章 |
三次救急医療に従事する看護師の自殺未遂患者に対する態度;構成要素と傾向についての質的研究 |
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第2章 |
三次救急医療に従事する看護師の自殺未遂患者に対する態度;構成要素と傾向についての量的研究 |
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第3章 |
三次救急医療に従事する看護師の自殺未遂患者に対する態度と看護経験の関連;看護師の自殺未遂患者に対する態度尺度を用いた調査研究 |
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第4章 |
看護師の自殺未遂患者に対する態度と精神健康度・共感性の関連;三次救急医療に従事する看護師を対象とした質問紙調査 |
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第5章 |
三次救急医療に従事する看護師の自殺未遂患者に対する態度変容の過程;修正版グラウンデッド・セオリー・ アプローチを用いた質的帰納的研究 |
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第6章 |
総合考察 T.態度傾向をどう評価するか U.理想的な態度の追求 V.看護師に対する心理的支援 |