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「すること」を追い求めた看護師の「できること」がないことによる挫折。「そこにいる」ことをしなかった自分への気づきからはじまった、看護とは何かの探求。 |
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患者理解に徹すべく、がん治療に通う人の語りを聴き、物語に書き移し、その意味を考えてゆく。解釈する人として寄り添うこと自体が看護だった。 |
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意味はそこにたち現われる。マニュアルなどない・・・・・「考える看護」の宣言。 |
【著者】みずさきともこ:長野県看護大学講師/生活援助学講座。 |
【主要目次】 |
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はじめに |
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第1章 |
ゆらぐ看護観
1.ある看護師の初心者時代
2.自問自答―緩和ケア病棟で
3.患者を理解するということ |
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第2章 |
がん患者の語り
Aさん Bさん Cさん Dさん Eさん |
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第3章 |
語りの解釈と意味の理解
1.人はなぜ語るのか
2.語り手の世界と聴き手の世界
3.がんであると知ることの意味
4.意味とは何か |
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第4章 |
考える看護――患者とともに意味を問いつづける
1.がんを知らされることと、がんを知ること
2.看護における科学優先主義批判
3.意味はそこに立ち現われる
4.「・・・とは何か」を」自らに問う
5.問いを問いつづける |
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あとがき |
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【推薦文/書評】 |
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書評……“看護”7月号に『考えるがん看護』の書評が掲載されました。評者は江藤裕之氏(東北大学大学院国際文化研究科准教授)。看護研究の参考書はたくさん出ているが、ほとんどはハウツーを伝えようとするもの。示されているのは作業であって著者の思索ではない。そうした現状を枕に、それと対比させることで本書の成り立ちの特徴が際立つような紹介をしてくださっています。そして、「自らの問いを問いとして問い続けた深い思索の書である」と結ばれています。 |