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乳がんを告げられて10年の体験を綴る克明な手記を基に成立した、患者と看護師のコラボレーション企画。 |
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治療を受けるなかで患者はどのような体験を強いられているのか。それを虚心に受けとめることを出発点に、看護師にできること、ケアとしてめざすべきことを示します。そのために必須な医学知識と最新情報をわかりやすく解説。まさに名講義と言えましょう。 |
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乳がん看護の入門書として、また、新しくおさらいするためにも絶好の一冊。特に看護として重要なポイントは「看護師のあなたに」の見出しをつけて詳しく述べています。 |
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患者ご本人にもぜひ手に取っていただきたい本になりました(きっと役に立ちます)。看護師のあなたからすすめてください。 |
【著者】たけうちとみこ:岐阜大学医学部教授 |
【主要目次】 |
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第1章 |
乳がんと診断されるまで
1.乳がんの検診
2.乳がんを疑う
3.乳がんのハイリスク因子 |
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第2章 |
外来で術前の化学療法を受ける
1.“乳がん告知”直後の患者心理
2.乳がんの進行度(病期 Stage)
3.術前化学療法と副作用
4.がんの恐怖
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第3章 |
乳房切除術を受ける
1.術前の看護
2.術式と手術室における看護
3.術後の看護 |
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第4章 |
退院後の生活と放射線療法
1.術後の放射線療法
2.退院後の生活
3.その後のフォロー
4.再発と転移
5.患者会とサポートネットワーク
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手記より―1〜19 |
【推薦文/書評】 |
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“EB Nursing”Vol.8 No.3(2008-夏号)に『患者体験に学ぶ乳がんの看護』の書評が掲載されました。評者は射場典子氏(DIPEx−Japan)。「最近、自分自身のがん体験、そしてがん患者の家族の体験をしていて、つくづくと感じていた患者・家族のニードと現在の医療との隔たりに、橋渡しをしようとしているのが本書であろう」と書き起こされ、「患者が病気に取り組む主体であり、そのプロセスを支援するのが看護師であるということを、その構成からも読み取れる」本書ならではの特色を、丁寧に指摘。特に内容の「わかりやすさ」を評価してくださり、必要とされる看護が「EBNの観点からもNBN(Narrative-Based
Nursing)の観点からも明確となっている」とまとめています。「本書の目玉」である手記についても「そのときの状況や患者の心情が容易にイメージできるもので、読むものを惹きつける」「人として教えられることも多かった」と述べ、全体を「体験記と看護実践の手引書の2冊を読みおえたような満足感が得られた読後感であった」と締めくり、ユニークな一冊として推薦されています。 |
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“看護実践の科学”2008年2月号に『患者体験に学ぶ乳がんの看護』の書評が掲載されました。「もう一度看護とは何かを見直したくなる一冊」と題して、評者は玉木ミヨ子氏(埼玉医科大学短期大学看護学科)。「実に具体的にエビデンスに基づいて記された一冊です」「特徴はなんといっても、患者の側に立脚した看護であると思います」「・・・読み進んでいくと、常に患者の側に立って看護の専門家としてなすべきことをするという筆者の熱い思いに触れることができます」(以上抜粋)と共感をこめて紹介し、現に優れた看護師にも、看護学生にも必ず役に立つ本として推薦しています。また、患者手記の中に看護師の姿が見えてこないことを淋しく思い、このような看護があることをより多くの一般の人々に知ってもらいたいとも述べています。 |
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【読者の声】 |
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乳がんの手術は数え切れないほどこれまで担当してきました。乳がんと子宮がんというのはもっとも患者さんに対する対応を考えさせられる手術です。女性の象徴である乳房と子宮をとるということは看護をする私にとってもとてもつらいものです。また、感情が高ぶって泣いてしまう方が多い手術でもあります。病気に対する恐怖だけでなく、女性としての悲しみが大きく重なっているからだろうと想像していました。
今回、御著書の手記を読み、普段の業務の中では感じることができない、患者さんの後ろにある大きな背景を垣間見ることができました。私が病棟で勤務していたらもっと共感できる部分が多かったかもしれませんが、手記のほとんどが私にとってはとても新鮮なものでした。そして、手術室に入室されてから手術が始まるまでの30分弱の間でいったい自分は患者さんに、何ができているのだろうかということを改めて考えさせられました。
手術室に向かうまでの患者さんの苦悩、不安、悲しみ、そしてそれを支えている家族がいることをつい忘れ、日常の業務として行なっているのではないかと時々感じてはいました。
言い訳になってしまいますが、実際に生活している患者さんと接したことがありません。
そして、実際の業務の中では、どれだけ手術のための手順と必要な機器がわかりそれをいかに手際よく準備できるかがもっとも重要な毎日で、患者さんのことを後回しにしてしまっていました。多くの難関を乗り越えてやっと手術という治療を受けるところまできた瞬間、どんな気持ちで患者さんが自分の前にいるのかを忘れていたなあと思います。
私はいつの間にか、病気を見る看護師になっていたと思います。患者さんを看るということを忘れてはいけませんよね。
術式について書かれたところはとてもわかりやすく、改めて自分の行なっていることを知識として再確認できました。実際に手術を知らない人でもよくわかるように書かれていたと思います。先生の願いのとおり、看護職だけでなく、これから乳がんと闘う患者さんにも届くといいですね。きっと正しい知識に支えられて、同じ病気に立ち向かった方の手記を読み、でがんばろうという気持ちをもってくださると思います。 |
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看護師/手術室2年目、26歳 |
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2007.10.15 著者宛Eメールより |