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                  | ■ | コラージュ療法に魅かれ、導かれ、活用の場を広げてきた著者による実践の手引き。 同行(どうぎょう)する援助者としてかかわった多彩な事例を作品例とともに紹介する。
 「私をとらえて離さないコラージュの魅力を伝えたい。感動を分かち合いたい。」(著者)
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                  | 【著者】1993年コラージュ療法を精神科病棟で開始以来、さまざまに活動の場を広げコラージュ経験を深める。2002〜2008年県立広島大学教授(定年退職)。広島コラージュ療法研究会主宰。日本心理学会認定心理士、日本カウンセリング学会認定カウンセラー・認定スーパーバイザー、ほか。専門領域:精神保健・精神看護学、カウンセリング、教育臨床心理学 | 
                
                  | 【主要目次】 | 
                
                  |  | T コラージュという方法 | 
                
                  |  | 第1章 | コラージュ療法とは | 
                
                  |  |  | 1.コラージュとは | 
                
                  |  |  | 2.コラージュ療法とは | 
                
                  |  |  |  | ●美術の技法がなぜ心理療法に ●箱庭療法/絵画療法/コラージュ療法 | 
                
                  |  |  | 3.コラージュ療法を意味づける理論 | 
                
                  |  |  | 4.コラージュ療法の対象 個人療法としてのコラージュ | 
                
                  |  |  |  | ●実施の頻度 集団コラージュ療法 相互法(同時制作法) 家族コラージュ法:母子相互法(同時制作法),合同法,コラージュ変法 | 
                
                  |  |  | 5.方法のバリエーション | 
                
                  |  |  |  | ●コラージュ・ボックス法 ●マガジン・ピクチャー・コラージュ法 ●裏コラージュ ●ベッドサイド訪問コラージュ ●宿題コラージュ(ホームワーク)
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                  |  | 第2章 | コラージュ療法のすすめ方 | 
                
                  |  |  | 1.準備するもの ●切り抜き材料 ●のりとはさみ ●台紙 ●その他 | 
                
                  |  |  | 2.導入 ●マガジン・ピクチャー・コラージュ法では ●コラージュ・ボックス法では | 
                
                  |  |  | 3.制作 ●留意すべきこと ●コラージュ療法の特長 | 
                
                  |  |  | 4.制作後 ●シェアリング(sharing;わかちあい) | 
                
                  |  |  | 5.作品の取り扱い | 
                
                  |  | 第3章 | コラージュの評価 | 
                
                  |  |  | 1.コラージュを評価するとは | 
                
                  |  |  |  | ●目的と目標 ●ふり返りミーティング ●比較対照の指標 | 
                
                  |  |  | 2.コラージュの治療要因 | 
                
                  |  |  | 3.コラージュ制作の治療的効果 | 
                
                  |  |  |  | ●心理的退行 ●作業の意味 ●カッティング ●貼る コラージュの魅力  完成の満足感 | 
                
                  |  | 第4章 | 作品のみかたと解釈 | 
                
                  |  |  | 1.「解釈しない」ことを原則とする ●コラージュ作品を“聴く”という態度 | 
                
                  |  |  | 2.アセスメント(判断軸) | 
                
                  |  |  | 3.形式分析/内容分析 | 
                
                  |  |  |  | ●台紙の大きさ ●色 ●はみ出しの有無 ●切片数 ●重ね貼り ●余白 ●余白の分量 ●切りかた ●文字の有無 ●主な色彩 ●無彩色 ●色彩数 ●色調 ●統合性 ●中心性 ●空間配置
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                  |  |  | 4 象徴的解釈 | 
                
                  |  | U コラージュを聴く―さまざまな場における活用 | 
                
                  |  | 第5章 | 精神科医療の場で | 
                
                  |  |  | 1.統合失調症の患者さんと | 
                
                  |  |  |  | ●コラージュが生きがいとなったSさん(事例1 Sさん) ●「死ぬまでやる」とまで言わせたものは何であったか
 急性期の患者が示した関心と参加意志(事例2 Aさん)
 ●急性期の患者にコラージュは禁忌か?
 回想法としてのコラージュ(事例3 Pさん)
 ●その人の物語を“聴く”かかわりのツール
 美意識を満足させるコラージュ作品(事例4 Tさん)
 ●アセスメントツールとして用いない
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                  |  |  | 2.その他の入院患者さんと―てんかん,うつ病,心因反応ほか | 
                
                  |  |  |  | ●ファンタジーの世界を生きる1年間の旅(事例5 Bさん) ●台紙にも意味がある
 ● 「コラージュは病気であることを忘れさせてくれます」(事例6 Kさん)
 ●落ち着きを得るまでの心の軌跡(事例7 Nさん)
 ●欲求,願望の表出によるカタルシス効果(事例8 Gさん)
 ●集団療法において留意すべきこと
 ●喪失体験を克服したLさん(事例9 Lさん)
 ●裏コラージュ(事例10 Hさん)
 ●作品には題を付ける
 | 
                
                  |  |  | 3.感性で聴く | 
                
                  |  |  |  | 
                
                  |  | 第6章 | 老人保健施設で認知症高齢者と | 
                
                  |  |  |  | ●導入の背景(在宅高齢者とのコラージュ) ●導入のプロセスと実施方法
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                  |  |  | 1.穏やかな集中―記憶は生きている (事例11 Cさん) 
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                  |  |  | 2.回想法としてのコラージュ (事例12 Dさん) | 
                
                  |  |  | 3.満足と生きがい―認知症高齢者にとっての意義 | 
                
                  |  |  |  | ●制作後すぐ忘れてしまわれたとしても ●QOLの向上
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                  |  | 第7章 | 子どもたちと | 
                
                  |  |  | 1.小中学校で ●連想コラージュのすすめ | 
                
                  |  |  | 2.母と子のコラージュ (事例13 Mちゃん) | 
                
                  |  |  |  | ●マガジン・ピクチャー・コラージュ法とコラージュ・ボックス法を併用した母子相互法 ●こだわりの意味
 ●自己治癒―作品に伴う行動変容
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                  |  |  | 3.不登校児童・生徒支援に活かす―適応指導教室におけるコラージュ 《不登校の生徒9人にみるコラージュの特徴》 | 
                
                  |  |  |  | ●不登校要因の確認と推測 ●コラージュの効果 「明日から学校へ行きます。」(事例14 Iさん)
 ●自己表現―現実へ一歩踏み出す契機
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                  |  |  | 4.宿題コラージュ法 | 
                
                  |  |  |  | ●《不登校児支援における宿題コラージュ法・かばん登校の効果 ―小学考1年次より毎年,不登校を繰り返す事例を通して》(事例15 Y君)
 ●宿題コラージュ法の手続き
 ●イニシャルコラージュ
 ●宿題コラージュの作品
 ●登校開始後の作品
 | 
                
                  |  | 第8章 | 自己啓発 | 
                
                  |  |  | 1.イニシャル コラージュ体験 | 
                
                  |  |  | 2.看護教育に活かす―看護者としての適性に悩む学生の自己開示 | 
                
                  |  |  | 3.授業への導入 | 
                
                  |  |  | 4.対人援助者のためのセミナー 《対人援助志向集団におけるコラージュの有効性に関する研究》(事例16 Uさん) (事例17 Wさん)
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                  | 【推薦文/書評】 | 
                
                  |  | 書評…“看護実践の科学”11月号(Vol.35, No.12)に『コラージュを聴く』の書評が掲載されました。評者は那須典政氏(長野県看護大学健康センター)。氏は「聴く」というタイトルに興味をかきたてられて読み進んだという。そして、著者が重視しているのは作品の解釈ではなくコラージュを通しての“かかわり”であることを深く理解して「本書はすぐれた援助論として読むことができる」と評されている。コラージュ療法の手引きとしても、解説は明快でわかりやすく、実際のすすめ方や注意点の記述は具体的できめ細やかである。対人援助に携わる者には「入門書として最適、いや必読の一冊である」と書かれている。そのうえで、事例編について「目を見張るのが第5章以下で詳細に展開されている事例の豊富さである」と特筆され、多数掲載されている作品について「…ユニークなコラージュは見ているだけでもその世界に引き込まれてしまう」と述べておられる。締めくくりの一文を引用しておく。「日常的に人とかかわり、相談を受けている私には、対人援助者としての姿勢を振り返る貴重な一冊となった。」 |