精神科看護の経験と実践知
岡田実 [著]
A5判 200頁 定価(本体2,600円+税)
ISBN978-4-902630-11-4
問題を正視し,精神科臨床での看護師の実践を克明に描く,
著者渾身の書!
非常事態への対処を,精神科救急・急性期の看護介入技術として解明。
護身術やリスクマネジメントを超え、まっすぐに看護としてのあり方を追求しています。
温故知新―先輩看護師の臨床経験に学び,新たな実践知の創出へ!
「患者の自他に向かった暴力や攻撃行動への対処は,精神科看護では日常的なこととして受け入れてきた。事態を警戒しその進展に気を配り,場合によってはその場に言葉と身体を投じて果敢に介入することをいとわない。それを精神科看護師の役割と考えてきたのである。 …… このような看護行為が精神科看護と看護師にとってどのような意味があるのか…,こうした自問自答が本書の成立を支えている。」― 著者あとがき より
【著者】おかだみのる弘前学院大学准教授青森県生まれ。1977年弘前大学教育学部卒業。1985年弘前大学医療技術短期大学部看護学科卒業。放送大学大学院文化科学研究科文化科学専攻修士課程修了。看護師として青森県立つくしが丘病院に勤務(1985〜1997年)。以後,青森県立青森高等看護学院(専任教員),青森県立つくしが丘病院(看護師長),青森県立精神保健福祉センターを経て,2006年より現職。
【主要目次】
 序章 非常ベルが鳴るとき
 I 問題の所在と研究の視座
第1章 暴力の正視
第2章 精神科救急・急性期看護をめぐる問題
第3章 経験と実践知の収集―研究の動機、目的、方法
 II 暴力と攻撃行動に対する看護介入技術
第4章 基本的ケアの実践
第5章 精神科救急・急性期看護の原則と暴力への対処
第6章 攻撃場面の収拾
 III 事例研究
  臨床経験の記述―自己エスノグラフィーという方法
第7章 幻覚・妄想状態を呈する患者への対処
第8章 突発的な攻撃に遭遇して
 終章 臨床経験の共有から“範例”へ
【推薦文/書評】

“精神療法”第35巻第1号(金剛出版)に『暴力と攻撃への対処』の書評が掲載されました。評者は田崎博一氏(弘前愛成会病院長)。「精神科病院急性期病棟の準夜勤帯に放り込まれる」ような臨場感あふれる序章の紹介からはじめられ、本書を経験に含まれる「技を言語化し、実践知を共有する営み」として位置づけたうえで、「著者の臨床家としての経験、研究者としての努力、教育者としての情熱がこの困難な作業を実現させたものと思う」と評価されています。そして、看護職員ばかりでなく精神科医の評者にとっても「刺激的で有益な一冊であった」と結ばれています。


“精神医療”no.54(発行:批評社)に『暴力と攻撃への対処』の書評が掲載されました。評者は安保寛明氏(東北福祉大学健康科学部保健看護学科)。本書の特徴を丹念に取り上げ、それに対する評者の読みを開陳した4頁にわたる本格的な論文です。批評と感想が端的に凝縮されている最終段落の文章を引用・紹介します。「この書籍で記されている内容は特定の施設で培われた文化に基づくものであり、考察も一人に委ねられているので、内容には粗削りな記述がところどころに見受けられる。一方で、強力な感情体験である暴力や攻撃について、ただ単にその場を制圧することだけでなく患者との対立を調和へと導くための配慮をしようと情熱を傾けている一人の看護師の姿が、この書籍から色濃く伝わってきた。この書籍を読むことで、患者との間に生じた一瞬の対立関係を調和に導くための理念や熱意が刺激される読者が多くあることを願いつつ、書評としたい。」

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