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病的多飲水・水中毒状態の患者さんの中ではどのような事態が生じているのか?
多飲水行動によって患者が必死に訴えているものは何か?
看護にできることは何か?
……著者は院内の研究チームに加わったことをきっかけとして、実践と研究の試行錯誤を開始した。異動した先の病棟や訪問看護においても、 ねばり強く研究的取り組みを継続。
そして、 臨床データの蓄積と経験をもとに、 納得できる論理と患者理解に到達しました。看護師としてめざすべきケアの地平を切り開いてゆくプロセスの記録は貴重です。 |
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多飲水行動・水中毒に至る患者の奥にある精神状態の悪さに注目し、症状への対 策と並行して精神科看護本来のケアを十分に提供していくべきことが強調されています。 |
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今後、 本書は病的多飲水・水中毒対策と看護の検討にあたって、最も基本的かつ重要な文献となるでしょう。この科学的な実践知をケアの向上に活かしていただきたい。 |
【著者】きむらえいじ:二本松会山形病院看護主任 |
【主要目次】 |
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第1章 |
病的多飲水・水中毒に対する取り組みの軌跡 |
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第2章 |
病的多飲水・水中毒対策と看護
1.発作を起こさないための対策と看護
2.症状の分類と看護
3.対策の総括 |
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第3章 |
病態へのアプローチ
1.病的多飲水・水中毒の発症原因
2.抗利尿ホルモン(ADH)と発作の関係
3.抗精神病薬との関係
4.病態像の変化と推移
5.長期的な推移
6.妄想との関係 |
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第4章 |
長期的管理――評価と予防 |
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第5章 |
在宅ケア |
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第6章 |
病的多飲水・水中毒患者の心理を理解する試み |
【読者の声】 |
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女性のみの閉鎖病棟(職員も女性)で働いています。異動してきてまだ半年ほどですが、
水中毒における患者さんへの対応に疑問をもち、水中毒というものをもっと知りたくなり購入しました。
現在の病棟では、「水を飲んだらおやつをあげないからね!」「タバコもあげない」「面会者に会わせてあげない」など、
当然のように、看護師がしかりつけている現場をたびたび目撃し、職員の患者に対する抑圧や暴言的な対応が日常的に行なわれていることに
心が痛んでいます。職員の意識はどうしたら変えることができるのでしょうか。そういったことにまでふみ込んで書くのはむずかしいことなのでしょうね。 |
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K.M.(看護師、40歳) |
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FAX(読者アンケート)受信 2006.8.7 |